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江戸期の飾り幕 発見

2017.07.13

紀州三大祭り「粉河祭」の中町地区の初代 緞帳幕が発見されたと聞き、調査に行って参りました。

図柄や糸の古さ、縫い方から江戸期に使用されていたものではないかとみられています。

図柄内容が判明しましたので、掲載させていただきます。

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『陸遜(りくそん)、黄龍を退す』~三国志 民間伝承逸話より~

蒲圻州の雋水という河がある。

この河が雨で増水すると決まって黄龍が8匹の息子たちを連れて水遊びにやってくるのだった。

その度に河の流れはせき止められ、洪水が起こった。

その洪水は近隣の田畑や民家を水浸しにし、人々を苦しめていたのだった。

ちょうど蒲圻州に赴任してきた陸遜(注*①)は、この話を聞き、人々のためになんとかしてやろうと決心した。

夏になり、河が増水すると黄龍がやって来た。

陸遜の家来の兵士たちは、鉄の船に乗り勇敢に闘い、子龍8匹を退治することに成功した。

親である黄龍は、陸遜に闘いを挑んできた。

陸遜は、この龍退治のために用意してきた宝刀「雪花剣(せっかけん)」(注*②)を抜き、黄龍の背に飛び乗り、

そして額に剣を突き立てた。深い傷を負い、黄龍は激しく咆哮しながら逃げ去っていった。

それ以来、河は再び洪水を起こして人々を苦しめることはなくなったのであった。

 

(注*①)陸遜(りくそん)・・・・・・西暦183年~245年。中国三国時代の呉の武将。

呉郡の陸氏は顧氏・朱氏・張氏とともに江東の名族として知られている。

また、操船の名手としても有名である。

(注*②)雪花剣(せっかけん)・・・・長さ三尺もある巨大な剣。

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陸遜(りくそん)

 

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黄龍(こうりゅう)

 

 

※この図柄は非常にめずらしく、粉河中町地区以外では、丹波篠山の山車の見送り幕で一枚のみ確認されています。

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