2018.08.28
先月の7月28日(土)、29日(日) 和歌山県紀の川市の粉河産土(こかわうぶすな)神社にて夏祭りが開催されました。
このたび、北町地区の山車(だんじり)に装飾する傘幕・行燈幕を当店で大改修させていただきました。
傘幕の図柄は、「波に雲龍乃図」。行燈幕の図柄は、「富士の巻狩り乃図」です。
※作品一覧の「飾り幕」に新しい作品を追加いたしました。
改修前の行燈幕の状態です。
改修前の傘幕の状態です。羅紗生地にわずかに残っていた波と波頭の墨の跡を白い線で分かりやすくしてから下絵を写していきます。
人物の部品を分解し欠損部分を確認しているところです。古い糸の見本をもとに、絹糸を別染めします。
兎の撚り糸も劣化が進んでいます。これ以上傷まないように、細かく綴じ作業をしていきます。
龍の腕の金糸です。黒く変色しているのは、改良金糸または本紛(ほんまがい)金糸と呼ばれるもので、純銀箔をいぶして(着色して)金色にし 制作された、いわゆる代用金糸です。見た目は純金糸と同じですが 年数がたてば酸化して黒く変色するのが特徴です。江戸~明治時代の刺繍によく使用されていました。江戸時代には唐箔といわれていたそうです。
龍の頭です。金糸の劣化が進んでいたため、傷んだ金糸を取り外し、肉の状態にしました。
新しい純金糸で修復していきます。
龍の腹部分は、古い改良金糸で修復していきます。
行燈幕の大台作業です。
傘幕の大台作業です。
完成品は作品一覧の飾り幕のページをご覧ください。