2019.05.12
先月4月27日(土)に和歌山県 日高郡 日高川町の紀州最古の古刹、道成寺(どうじょうじ)にて、会式(えしき)が行われ、約10年ぶりに見学に行って参りました。安珍 清姫の悲恋物語で有名な道成寺で行われる会式は、清姫の執念によって釣鐘とともに焼き尽くされた安珍の鎮魂祭。鐘供養会式とも呼ばれています。祭りの見ものは、物語に基づき清姫が大蛇と化して安珍を追い掛けるさまを再現した「ジャンジャカ踊り」。約25mの張り子の大蛇が体をくねらせ火炎を吐きながら日高川を渡り、安珍を追い掛け、そして寺の62段の石段を一気に駆け上がり、最後は釣鐘にとぐろを巻きます。今年は27日が土曜日と重なり、例年よりも多くの見物客で賑わいました。
「ジャンジャカ踊り」は昭和46年2月に郷土芸能を保存しようと「安珍清姫会」が結成され、創始されました。この会の成員のひとりに 私の母方の祖父、北岡窿(たかし)がおり 初代安珍役を務めたそうです。祖父の家の納屋には、ジャンジャカ踊りで使用する大蛇の頭が大切に保管されていたと母によく聞かされていました。
祭り当日、今の保存会の会長である地蔵国男会長(74)と話をすることができました。会長は祖父のことをよく存じておられて当時祖父は40代で、地蔵会長は20代だったそうです。会長は、第1回目から参加されており、約50年間このジャンジャカ踊りを守り続けておられます。
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西暦928年、延長6年に、道成寺境内の この場所で、安珍は、清姫によって、釣鐘もろとも 焼き殺され、その遺骨は釣鐘と一緒に土に埋められたそうです。
道成寺物語は、『黒髪縁起』 『鐘巻縁起』 『鐘供養縁起』の三部作構成になっており、鐘巻縁起(安珍清姫)の終盤、安珍が埋葬された後、歌舞伎で有名な、娘道成寺鐘供養縁起へと物語は続いていきます。